【奈良県】【奈良の仏像】国宝の仏像のご紹介をします。 | お仏壇の処分・引取り・回収なら【仏壇供養の一休堂】

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2020.11.13お知らせ

【奈良県】【奈良の仏像】国宝の仏像のご紹介をします。

おはようございます。

本日は奈良県桜井市巻野内から仏壇回収のご依頼がありました。

 

奈良県といえば、以前は“夏のイルミネーション”こと「燈花会」を少しご紹介しましたが、

ほとんどの方がいちばん真っ先に思いつくのは「仏像」ではないでしょうか。

 

関西圏でしたら、小学校や中学校の遠足で東大寺に行くことも多いかと思います。(私もそうでした!)

 

 

今日はご依頼のご紹介だけでなく、奈良にある「仏像」についてお話ししたいと思います。

 

 


 

 

古代の雰囲気が多く残っている奈良は、京都と並んで日本人、外国人観光客が多い人気のスポットです。

現在日本には、国宝指定を受けた彫刻が126件もあるのですが、そのうち70件は実はこの奈良にあるんです。

もちろん日本全国で第1位の数となっています。

 

2位である京都ですら、37件なので、とてつもない数ですね。

 

 

このイメージもあり、やはり奈良に行くなら仏像を拝みたいと思う人は多いと思います。

 

 

ですがこれだけ多くの数があれば、どれから見れば良いのかわからなくなってしまいますよね。。。

 

なので今回は、「国宝」である仏像と、「重要文化財」の仏像に分けてご紹介いたします。

 

 

 

まず、奈良の仏像を見る上で抑えておきたいのが、「世界遺産」に登録されているお寺のことです。

 

 

奈良は8つの資産から構成された、『古都奈良の文化財』として、1998年に世界遺産に登録されました。

この資産のうち、「国宝建造物があり、“敷地が史跡に指定されている”資産」として、以下の6箇所が指定されております。

 

 

①東大寺(とうだいじ)

②興福寺(こうふくじ)

③春日大社(かすがたいしゃ)

④元興寺(がんごうじ)

⑤薬師寺(やくしじ)

⑥唐招提寺(とうしょうだいじ)

 

こちらになります。

このうちの。「春日大社」は神道であるため仏像はありませんが、他5つのお寺には「国宝」、そして「重要文化財」の仏像が納められています。

 

つまり、奈良市内だけでも、世界遺産のお寺を巡れるオススメの仏像の拝観コースとなっていますよ。

 

 

ではここから、奈良にある「国宝」「重要文化財」の仏像をご紹介していきます。

 

 

 

奈良にある「国宝」の仏像


 

法隆寺『釈迦三尊像』(飛鳥時代)

 

こちら、法隆寺の「釈迦三尊像(しゃかさんぞんぞう)」は、飛鳥時代、飛鳥彫刻の代表作であると言われています。

そして仏教におけるお仏像の安置形式のひとつということで、真ん中に「釈迦如来」を安置し、その左右に両脇侍(きょうじ)像を安置した形式になります。

 

この両脇侍として安置される像の種類は様々であり、「文殊菩薩(もんじゅぼさつ)」と「普賢菩薩(ふげんぼさつ)」や、「薬王菩薩(やくおうぼさつ)」と「薬上菩薩(やくじょうぼさつ)」などがあり、すべてが立っているもの、すべてが座っているもの、真ん中の中尊丈が立っているものなども様々になっています。

 

なお、禅宗では「ひとりの人間としての釈迦」を重視しており、釈迦如来の脇侍として「菩薩」ではなく、「羅漢」を配置することもあります。

 

 

 

法隆寺『救世観音像』(飛鳥時代)

 

こちら、法隆寺の「救世観音像(ぐぜかんのんぞう)」は、聖徳太子の等身大像であると伝わっている仏像です。

クスノキの「一木造り(いちぼくつくり)」という造りで、漆を塗っている上に金箔が施されています。

 

明治時代まで、「秘仏(ひぶつ)」として白布で厳重に巻かれて保存されていたので、今でも金箔が剥がれずに残っている部分が多く、輝きがまるで金銅物かのようです。

 

そして、この救世観音像は今でも「秘仏(ひぶつ)」であるので、年に2回、春と秋だけ公開されている貴重なお仏像です。

公開時期にはたくさんの人が拝観しに訪れます。

こちらのお仏像が安置されているのは、「夢殿(ゆめどの)」という法隆寺の八角形のお堂です。

 

 

 

法隆寺『百済観音像』(飛鳥時代)

 

こちら、法隆寺の「百済観音像(くだらかんのんぞう)」は飛鳥時代を代表する仏像です。

国宝中の国宝”と呼ばれているほどなので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

 

高さは209.4cmもあり、細いラインの体に、柔らかく優しいお顔、綺麗な光背の組み合わせが美しさを引き立たせています。

 

名前の最初に「百済(くだら)」という古代朝鮮の国名がついているのですが、朝鮮半島から来たのではなく、日本国内でつくられたという説が有力のようです。

 

 

 

東大寺『盧舎那仏』(天平時代)

 

この東大寺にある、「盧舎那仏(るしゃなぶつ)」は、「奈良大仏」「東大寺の大仏様」とも呼ばれています。

 

台座を含む高さが18.03メートルで、重さは250トンもあり、迫力のある姿が印象的です。

聖武天皇(しょうむてんのう)の命令で、745年に製作が始まり、752年に完成しました。

 

しかし、東大寺とともにこの盧舎那仏も何度か戦火にあったのちに復興したので、現在の仏像のうち奈良時代から伝わるのは、台座と膝頭の一部分のみになります。

 

 

 

東大寺『不空羂索観音菩薩隆三』(奈良時代)

東大寺にある、「不空羂索観音菩薩隆三(ふくうけんじゃくかんのんぼさつりゅうぞう)」は、8から9世紀にかけて盛んにつくられた、不空羂索観音の傑作とも言われている仏像です。

 

「三目八臂(さんもくはっぴ)」という3つの目と8つの腕を持つ姿で、“あらゆる生き物を救う”観音様です。

この仏像は、特に腰まわりが太く大きくつくられており、ずっしりとした安定感があります。

 

天平時代から平安の初期につくられた「宝冠」が特徴であり、高さは88センチもあります。

元々は2万個以上にもなるヒスイや琥珀(こはく)で飾られていたのですが、1973年に盗難があり、宝石たちは紛失してしまいました。

現在、宝冠についているものの一部は、後から同じ材料を使って復元したものになります。

 

 

 

 

東大寺『広目天像(四天王)』(奈良時代)

 

こちら、東大寺の「広目天像(こうもくてんぞう)」は、四天王のひとりである「広目天」の仏像です。

仏法の守護神である「四天王」は本尊の護衛でもあり、それぞれ方角が割り当てられています。

この広目天は、お堂の西側を守っている仏像です。

 

 

 

 

 

興福寺『阿修羅像』(天平時代)

 

こちら興福寺の、「阿修羅像」は「天平の美少年」と呼ばれている、奈良の中でも人気の仏像です。

 

この仏像は「三面六臂」という3つの顔と、6つの腕を持つ姿です。

 

3つの顔を見ると、すべて同じ顔に見えますが、本当はまったく違うのです。目や鼻立ちの位置によって、幼い少年のような顔、活力に溢れた思春期の顔、青年の顔を表していると言われています。

 

そしてこの仏像の高さは、153.4センチだと言われています。体重は15キロほどしかありません。

なぜこんなにも軽いのかというと、昔の仏像のつくり方である「脱活乾漆像(だつかつかんしつぞう)」という、泥土でつくった原型に、漆をつけた麻布を何層にも重ね、最後に中の泥土を取り除き、「心木(しんぎ)」という全体を支えるものを入れて完成させる作り方をしているからです。

 

 

 

 

薬師寺『薬師三尊像』(白鳳時代)

 

こちら、薬師寺にある「薬師三尊像(やくしさんぞんぞう)」は、創建当時から残っている貴重な仏像です。

 

薬師寺の「金堂(こんどう)」に安置されているご本尊であり、金堂は戦国時代に焼失して再建されたのですが、この「薬師三尊像」だけは戦火を逃れ、現在もほとんど完全な姿で残っています。

 

この仏像は、中央に位置するのが「薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)」であり、右と左には「日光菩薩立像(にっこうぼさつりゅうぞう)」と「月光菩薩立像(げっこうぼさつりゅうぞう)」がある「三尊形式」となっており、この3つでひとつの国宝に認定されています。

 

豊満な肉付きと、優しい表情、整った造形は、仏様の理想的な姿を表しつつも、自然主義的な表現です。

 

 

 

 

中宮寺『菩薩半跏像』(飛鳥時代)

 

こちら、中宮寺にある「菩薩半跏像(ぼさつはんかぞう)」は、気品のあるほほえみを讃える

“アルカイックスマイル”の典型と言われるほど美しい仏像です。

 

右の足を組んで、右手で頬に触れようとしている「半跏思惟(はんかしゆい)」という姿勢をとっていて、しなやかなラインの造りが特徴です。

 

この仏像がある「中宮寺(ちゅうぐうじ)」は、聖徳太子が母のために建てたといわれる御所の跡をお寺にしたものだと言い伝えられ、創建以来ずっと尼寺です。

 

 

 

新薬師寺『十二神将像』(天平時代)

 

こちら新薬師寺の、「十二神将像(じゅうにしんしょうぞう)」は、2012年から3年間も「普通500円切手」の絵柄となっていたくらい有名な仏像です。

 

現在でも、小さなお堂の中で本尊である薬師如来を守るように円形に安置されており、昔のままの姿を見ることができます。
ほぼ等身大である「十二神将像」はかなり珍しく、天平彫刻の傑作であるといわれています。

※新薬師寺と文化庁で、各仏像の名称が異なることがあります※

○伐折羅大将(迷企羅) ばさら:いぬ

○頞你羅大将(頞你羅) あにら:ひつじ

○波夷羅大将(宮毘羅) はいら:たつ ※1931年の補作※

○毘羯羅大将(毘羯羅) びぎゃら:ね

○摩虎羅大将(摩虎羅) まこら:うさぎ

○宮毘羅大将(招杜羅) くびら:いのしし

○招杜羅大将(珊底羅) しょうとら:うし

○真達羅大将(真達羅) しんだら:とら

○珊底羅大将(安底羅) さんてら:うま

○迷企羅大将(因達羅) めいきら:とり

○安底羅大将(伐折羅) あんてら:さる

○因達羅大将(波夷羅) いんだら:み

 

※括弧内が文化庁指定の名前です※

 

 

 

室生寺『十一面観音菩薩立像』(平安時代後期)

 

こちら室生寺(むろうじ)の「十一面観音菩薩立像(じゅういちめんかんのんぼさつりゅうぞう)」は、女性的な優しい美しさで人気の仏像です。

 

細かい装飾がほどこされている胸飾りや衣、ふっくらした顔立ちなどに上品な美しさが感じられます。

 

室生川に面しているこの室生寺の境内には、檜皮ぶきの「本堂」と「五重塔」、「灌頂堂(かんじょうどう)」があり、このいずれも国宝に指定されています。

ご本尊である「釈迦如来坐像」も国宝であり、その脇侍としてつくられた「地蔵菩薩立像(じぞうぼさつりゅうぞう)」も国宝で、見所が目白押しのおすすめの観光スポットです。

 

 

唐招提寺『盧舎那仏坐像』(奈良時代)

 

こちら唐招提寺の、「盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)」は、高さ3メートル以上あり、後ろの背中の光の高さは5.15メートルにもおよびます。

 

奈良時代に盛んに行われた「脱活乾漆像(だつかつかんしつぞう)」の造りで、雄大さと柔らかさが表現された威光あふれる仏像です。

 

この唐招提寺とは、多くの苦難を乗り越え、中国から来日した「鑑真」のお寺で、「盧舎那仏坐像」はその中の「金堂」に安置されています。

 

 

 

 

 

以上が、奈良の「国宝」である仏像です。

かなり多かったですが、ざっくりと説明しましたので、気になったものがあれば是非調べてみてくださいね。

 

続きの「重要文化財」の仏像は次の記事でご紹介いたします。

 

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました(^○^)

 

 

 

 

仏壇供養の一休

投稿者 岩城